論文、検証、技術資料
- 【検証・確認】RCレーダ探査機各種 工場スラブのメッシュ筋下の鉄筋探査
<使用機器>
GSSI社 ストラクチャスキャン SIR-EZ/SIR-EZLT、SIR-EZHR
PROCEQ社 超小型レーダ探査機 GP8800
日本無線社 ハンディサーチ ADSPIRE01(NJJ-200K)、NJJ-105K
本鉄筋探査(配筋調査)検証では電磁波レーダ法探査機を使用して建築構造物(工場)のスラブの鉄筋探査の探査能力を確認しようとした所、
浅い深度に鉄筋ピッチ@40~50mmのワイヤーメッシュ筋が埋設していることが判明し、
同箇所に於いて電磁波レーダ法の鉄筋探査機上記載機種で探査を行い、探査結果表示画像の違いを確認したものです。
<探査結果>
基本的には資料にてご確認頂けますと宜しいかと思いますが、
下記にて、文章での説明も記載致します。
●スラブメッシュ筋下の鉄筋探査
全てのRCレーダ探査機に於いて、僅かでもスラブ筋が探査出来る機種は無かった。
またその探査の過程で、そもそもワイヤーメッシュ筋の探査結果画像自体が明確に表示されない
RCレーダ探査機の機種があることが確認された。
●スラブのワイヤーメッシュ筋の鉄筋探査画像
ワイヤーメッシュの鉄筋の深度はおおよそ10~20mmの範囲で、ピッチ@40〜50mmで埋設していた。
日本無線のハンディサーチ ADSPIRE01(NJJ-200K)、NJJ-105K、
PROCEQ社 超小型レーダ探査機 GP8800 の探査結果画像では、
メッシュ筋の本数や位置、深度がそれなりに確認できた。
しかし、GSSI社 ストラクチャスキャン SIR-EZ/SIR-EZLT、SIR-EZHR の探査結果画像
では同様の確認が難しかった。このことは、探査検証を行ったストラクチャスキャン 2機種が
極浅い鉄筋の探査には不向きであるということが確認された。
現地での鉄筋探査機に表示される探査結果画像では、本資料掲載の探査結果画像よりも
もっと解読が困難であった。
また、各機種とも背景除去機能や平均波処理 等の一様のノイズを除去する機能があるが、
どれもワイヤーメッシュ筋の探査では有効に機能しなかった。
これは、鉄筋が極浅く(表面波発生範囲内にある)ピッチが狭い配筋の場合は上記画像処理が
有効ではないことが確認された。
●スラブの探査過程で、工場の動線を誘導するような矢印シールがあり、
この成分に金属物質が含まれることがわかり、その上から鉄筋探査を行ってみた。
探査結果画像を確認した所、マンホール等の板状のものが探査表面にあり、その真上を
走査した時と同じような縦縞の探査結果画像が表示された。
このことから、矢印シールの真下や近傍周囲の鉄筋の探査は出来ない。
ということも確認された。
※本検証・確認は、一定の機種の優位性や劣勢を示すものではありません。
※検証に使用した機器は、チャンピオン機ではありません。当社で所有の機器である為、同型番の他機器が必ずしも同結果を
表示することを説明したものではありません。(レーダ探査機には機体差があります)
※当社の許可なく無断転用は禁止です。無断転用の際のリスクや損害があった場合には、当社は一切の責任を負いません。
※現状のレーダ探査機には、完璧な機器はありません。また No.1 の機器もありません。
より正確で高いレベルの探査を行いたい場合は、探査状況や探査目的に応じて適切な機器を選択して探査することをオススメします。