電磁波レーダ法探査(RCレーダ探査・鉄筋探査)

 

電磁波レーダ法探査とは、コンクリート構造物中の内部に埋まっている埋設物
(鉄筋や埋設配管、空洞、豆板 等、コンクリートと材質が異なる物)の平面的な位置や深さを探査することが出来る手法であり、
一般的には鉄筋探査や配筋調査のことを示します。
また、道路や土壌、土間、基礎 等の下に埋設する配管や空洞等を探査する
地中埋設物探査や地下空洞探査に関しても同じ電磁波レーダ法探査のカテゴリーに分類されます。
電磁波レーダ法の探査の呼び方は、『RCレーダ探査』や『レーダ探査』と呼称される場合はコンクリート構造物の鉄筋探査や埋設物探査を示し、 
『地中レーダ探査』と呼称される場合は地中埋設物探査のことを示します。 

 

 

 

 

 


余談ですが、『RCレーダ』という呼び名は、
世界で初めてコンクリート専用のレーダ探査機を開発・製造・販売した日本無線がレーダ探査機に付けた名称です。
『RCレーダ』の『RC』は『RC造』の鉄筋コンクリート造を示しており、
『SRC造』は鉄骨鉄筋コンクリート造を示し、『S造』は鉄骨造、『CB造』はコンクリートブロック造、
『W造』は木造などのように建物構造の種類を示した言葉です。
現在は『ハンディサーチ』と名称が変わっていますが、昔から電磁波レーダ法探査を実施してきた技術者ほど、
『RCレーダ』や『RCレーダ探査』と言っている場面を多く目にします。

   
  
   カタログ実物のダウンロードはコチラ

 


電磁波レーダ法査は、何を探査できる?

 

電磁波レーダ法の探査では、電磁波が探査対象物から反射して戻って来るまでの時間を解析することで、探査対象物の位置を特定します。
そのことから、原理原則では電磁波の反射が得られる物体であれば、何でも探査出来ることになります。
では、『電磁波が反射する』ためにはどのような条件が必要となるでしょうか?

   

 

 

電磁波が反射する条件とは?



電磁波の反射は、探査面(探査箇所)と違う材質の物や境界面が、電磁波の伝搬経路にあった場合、
そこから必ず電磁波が反射します。『違う材質』とは何を示しているのか?



電磁波レーダ法探査では、『比誘電率の違い』を示しています。
比誘電率は、個々の物体が持つ電気的性質の違いのことで、物体の水分量や密度等によって変化します。
例えば、打設直後のコンクリートの場合、比誘電率は10.0~20.0位を推移しますが、
数カ月経過し乾燥することでおおよそ 8.0 程度の値で安定し、
更に10数年経過して乾燥すると6.0〜8.0位の幅で推移します。
このコンクリートの比誘電率と、内部に埋設する物質の比誘電率の差が大きい程、電磁波の反射量が多くなります。
すなわち、鉄筋等の金属物はコンクリートとの比誘電率の差が最も大きく見つけやすい探査対象物と言えます。
そのことから、RCレーダ探査機が鉄筋探査機と呼ばれる所以となったかもしれませんね。
一方で、空洞や豆板(ジャンカ)等は比誘電率がほぼ1.0程度の為、
コンクリートとの比誘電率の差が少なく、電磁波の反射量が少ないことから見つけることが難しい探査対象物と言えます。

         


コンクリートの内部空洞探査の場合、
コンクリートの比誘電率が高い程(湿っている)反射量は大きくなり見つけやすいことになりますが、
実際は必ずしもそうなるとは限りません。
コンクリートの比誘電率が高くなる程に電磁波の減衰量が大きくなり、
戻って来る電磁波の量は小さくなってしまうことがあり、見つけ難くなります。
余談ですが、CD管や塩ビ管等の非金属配管の比誘電率は、空洞とほぼ同等の1.0程度となります。
このことから、実際に探査して見つけるのが難しい探査対象物となります。
しかし、管の中に電線や水が通っていれば、コンクリートとの比誘電率の差が大きくなり見つけやすくなります。
また内部の電線の太さが太い程・水の量が多い程に電磁波の反射量が大きくなりますので、
鉄筋よりも見つけやすくなることもあります。
このように電磁波レーダ法探査では、電磁波の反射が多く戻って来れば見つけることが可能となりますが、
電磁波が少ししか戻って来ない場合は見つけられなくなります。


電磁波レーダ法鉄筋探査の原理

 

        •     
      • コンクリート構造物の配筋探査(配筋状況の3D表示可)
      • あと施工アンカー打設工事前の鉄筋探査(埋設物探査)
    • 駅ホームの転落防止用柵設置工事の鉄筋探査(埋設物探査)
    • 空調設備等設置工事時の吊ボルトアンカー打設前の鉄筋探査(埋設物探査)
    • 設備配管や圧縮強度試験 等、コア削孔(コア抜き・貫通)工事前の鉄筋探査(埋設物探査)
    • コンクリート表面の斫り(ハツリ)や目荒らし前の表層の鉄筋探査(埋設物探査)
    • コンクリート解体・撤去前の生きている電線(電気配管)や埋設配管 等の埋設管探査
    • シンダーコンクリート撤去工事前の電線(電気配管)や埋設配管 等の埋設管探査
    • 一般道や高速道路、私有地 等の地面を掘削する工事前の地中埋設物探査(埋設状況の3D表示可)
    • 一般道や高速道路、私有地 等のカッター工事前の地中埋設物探査